Topic 85. 「光がまぶしく感じる?」それってもしかしてひとみのルテイン不足かも
目が光を感じるメカニズムとは
目は、直径24㎜くらいの大きさをした球状の臓器です。球状の部分である「眼球」、目と脳をつないでいる視神経を含む「神経系」、眼球の前方に存在し目を守っているまぶたや涙腺の部分である「眼球付属器」から成り立っています。眼球に光が入ってくるとき、光は眼球の前の方から順に、角膜、水晶体、硝子体という透明な組織を通過して網膜に到達します。
網膜には、光を感じる「視細胞」が存在しています。光がどんな色をしているか、どのくらいの明るさか、という情報を視細胞が受け取り、その情報が脳に送られることで光を感じることができます。
他の人ではまぶしいと感じない強さの光でも、光や情報の通り道にトラブルが生じると、光をまぶしく感じることがあります。
網膜には、光を感じる「視細胞」が存在しています。光がどんな色をしているか、どのくらいの明るさか、という情報を視細胞が受け取り、その情報が脳に送られることで光を感じることができます。
他の人ではまぶしいと感じない強さの光でも、光や情報の通り道にトラブルが生じると、光をまぶしく感じることがあります。
まぶしさを感じる原因とは
光をまぶしく感じる原因とはどのようなものでしょうか。代表的なものを紹介します。
光が強すぎる、パソコンやスマホの画面の光が明るすぎる
もともとの光源が明るすぎる場合、当然まぶしさを感じます。こちらは目のトラブルではありませんが、まぶしいと感じる原因の多くと考えられます。パソコンやスマートフォンの画面の明るさは自分で調整ができますので、画面が見づらくならない範囲で画面の明るさを落としておくと良いでしょう。夜になると画面の明るさが変化する「ナイトモード」を活用しても良いかもしれません。
水晶体のトラブルでまぶしさを感じる「白内障」
白内障とは、目の中の水晶体が白く濁ってしまう病気です。水晶体が濁ることで、そこを通る際に光が乱反射し、まぶしさを感じることがあります。
網膜のトラブルでまぶしさを感じる「加齢黄斑変性」
光を感じる部分である、目の網膜にトラブルがある場合もまぶしさを感じることがあります。加齢黄斑変性とは、目の網膜の中で最もたくさんの光が集まる「黄斑」という場所の組織が加齢などによって崩れてしまう病気です。
光が強すぎる、パソコンやスマホの画面の光が明るすぎる
もともとの光源が明るすぎる場合、当然まぶしさを感じます。こちらは目のトラブルではありませんが、まぶしいと感じる原因の多くと考えられます。パソコンやスマートフォンの画面の明るさは自分で調整ができますので、画面が見づらくならない範囲で画面の明るさを落としておくと良いでしょう。夜になると画面の明るさが変化する「ナイトモード」を活用しても良いかもしれません。
水晶体のトラブルでまぶしさを感じる「白内障」
白内障とは、目の中の水晶体が白く濁ってしまう病気です。水晶体が濁ることで、そこを通る際に光が乱反射し、まぶしさを感じることがあります。
網膜のトラブルでまぶしさを感じる「加齢黄斑変性」
光を感じる部分である、目の網膜にトラブルがある場合もまぶしさを感じることがあります。加齢黄斑変性とは、目の網膜の中で最もたくさんの光が集まる「黄斑」という場所の組織が加齢などによって崩れてしまう病気です。
まだ病気ではなくても…
「まぶしさ」を感じ続けることによるひとみのリスク
「まぶしさ」を感じ続けることによるひとみのリスク
先ほど紹介したような眼病ではなかったとしても、まぶしさを感じるほどの光を受けることは、目にとってのリスクになります。
強すぎる光を浴び続けることは、加齢黄斑変性のリスクになるといわれています[1]。また太陽光を浴びる際、目には見えませんが同時に紫外線を浴びています。紫外線も白内障や加齢黄斑変性のリスクとなりうるため[2]、まぶしさを感じる環境にいることが多い人は注意が必要です。
強すぎる光を浴び続けることは、加齢黄斑変性のリスクになるといわれています[1]。また太陽光を浴びる際、目には見えませんが同時に紫外線を浴びています。紫外線も白内障や加齢黄斑変性のリスクとなりうるため[2]、まぶしさを感じる環境にいることが多い人は注意が必要です。
まぶしさが気になる時の対策法
まぶしさが気になる時は、まずは目に入る光の量を減らしましょう。スマホやパソコンの明るさを下げる。サングラスなどで目に入ってくる光の量を減らすなどの方法が有効です。
黄斑色素密度を高めると、強くまぶしい光に対する耐性が高まり、まぶしい光を受けた後の回復時間が改善されることがわかっています[3]。
さらに、まぶしさの感じ方と網膜の黄斑密度との間に関連がある可能性があります。黄斑にはルテインやゼアキサンチンといった黄色い色素が集まっています。黄斑に存在する黄色い色素の密度を「黄斑色素密度」と呼び、黄斑色素密度が高い人は黄斑と体内のルテインなどの量が多いことがわかっています。
食事からルテインやゼアキサンチンを摂取すると、黄斑色素密度を高めることにつながります。
さらにルテインには白内障に対する研究報告もあります。ルテインは目の組織では水晶体や網膜の黄斑に多く存在していますが、ルテインの摂取量と白内障の発症率には関連があり、摂取量が少ないほど、発症率が高いことが知られています[4]。
ルテインをしっかり摂って白内障の予防を心がけることで、結果的に「まぶしさ」の対策にもなり得ます。
黄斑色素密度を高めると、強くまぶしい光に対する耐性が高まり、まぶしい光を受けた後の回復時間が改善されることがわかっています[3]。
さらに、まぶしさの感じ方と網膜の黄斑密度との間に関連がある可能性があります。黄斑にはルテインやゼアキサンチンといった黄色い色素が集まっています。黄斑に存在する黄色い色素の密度を「黄斑色素密度」と呼び、黄斑色素密度が高い人は黄斑と体内のルテインなどの量が多いことがわかっています。
食事からルテインやゼアキサンチンを摂取すると、黄斑色素密度を高めることにつながります。
さらにルテインには白内障に対する研究報告もあります。ルテインは目の組織では水晶体や網膜の黄斑に多く存在していますが、ルテインの摂取量と白内障の発症率には関連があり、摂取量が少ないほど、発症率が高いことが知られています[4]。
ルテインをしっかり摂って白内障の予防を心がけることで、結果的に「まぶしさ」の対策にもなり得ます。
ルテインはどうやって摂ればいい?
「ルテイン」は、緑黄色野菜に多く含まれています。さらに、ルテインは脂溶性なので油を使って調理すると吸収されやすくなります。ルテインを摂取する際にオリーブオイルと一緒に摂ると、体への吸収量が増加するという研究報告もあります[5]。
ルテインは、目の健康のために毎日6mg~10mg摂取することが望ましいとされていますが、日々の食事には、平均 1~2 mg のルテインとゼアキサンチン量しか摂れていないといわれています[6]。
目の健康を守るためには、食事に気を使ったり、ルテインを効率的に摂るためにサプリメントなどを活用しても良いのではないでしょうか。
ルテインは、目の健康のために毎日6mg~10mg摂取することが望ましいとされていますが、日々の食事には、平均 1~2 mg のルテインとゼアキサンチン量しか摂れていないといわれています[6]。
目の健康を守るためには、食事に気を使ったり、ルテインを効率的に摂るためにサプリメントなどを活用しても良いのではないでしょうか。
さいごに
「まぶしさ」はふとした時に感じることが多いですが、その裏側には病気が隠れている可能性があります。また、まだ病気にはなっていなくても、まぶしい光を浴び続けることが目の健康にとってのリスクになることもわかっています。
まぶしさなど、目にとっての不快な状況を「しかたない」とあきらめず、眼科での定期健診やサプリメントの飲用、生活習慣の改善などに取り組んでみてはいかがでしょうか。
※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
【参考文献】
[1]尾花 明 光が眼に与える影響 日レ医誌(JJSLSM)第32巻第4号(2012)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/32/4/32_438/_pdf
[2]日本白内障学会
http://www.jscr.net/ippan/page-007.html
[3]Stringham JM, and BR Hammond. Macular pigment and visual performance under glare conditions. Optometry and Vision Science. 2008, 85: 82-88.
[4]Ribaya-Mercado JD, Blumberg JB. Lutein and zeaxanthin and their potential roles in disease prevention. J Am Coll Nutr. 2006, 23(6 Suppl):567S-587S.
[5] Lakshminarayana R, Raju M, Krishnakantha TP, Baskaran V. Lutein and zeaxanthin in leafy greens and their bioavailability: olive oil influences the absorption of dietary lutein and its accumulation in adult rats. J Agric Food Chem. 2007, 55(15):6395-400.[6]ケミン社Webサイト
https://www.kemin.com/ap/ja/markets/human-nutrition/information-for-eye-doctors
まぶしさなど、目にとっての不快な状況を「しかたない」とあきらめず、眼科での定期健診やサプリメントの飲用、生活習慣の改善などに取り組んでみてはいかがでしょうか。
※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
【参考文献】
[1]尾花 明 光が眼に与える影響 日レ医誌(JJSLSM)第32巻第4号(2012)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/32/4/32_438/_pdf
[2]日本白内障学会
http://www.jscr.net/ippan/page-007.html
[3]Stringham JM, and BR Hammond. Macular pigment and visual performance under glare conditions. Optometry and Vision Science. 2008, 85: 82-88.
[4]Ribaya-Mercado JD, Blumberg JB. Lutein and zeaxanthin and their potential roles in disease prevention. J Am Coll Nutr. 2006, 23(6 Suppl):567S-587S.
[5] Lakshminarayana R, Raju M, Krishnakantha TP, Baskaran V. Lutein and zeaxanthin in leafy greens and their bioavailability: olive oil influences the absorption of dietary lutein and its accumulation in adult rats. J Agric Food Chem. 2007, 55(15):6395-400.[6]ケミン社Webサイト
https://www.kemin.com/ap/ja/markets/human-nutrition/information-for-eye-doctors