Topic 30. 楽に見えるメガネの作り方
まずはコレ!眼科医による「メガネの処方箋」
「メガネが合っていない方が8割~9割ではないかと思います」と話すのは、30年にわたり、4万人以上の目とメガネを診察してきた、日本眼光学学会理事の梶田雅義(かじた・まさよし)医師。病院を訪れる患者さんの多くが、検査してみるとメガネが「合っていない」状態とわかるのだと言います。
梶田さんの元に全国からやってくる患者さんたち。その目当ては、「メガネの処方箋」!メガネを買いに行くときには、事前に眼科医で検査を受け、作成してもらった処方箋を持って販売店に行くことが、「疲れないメガネ」を作る第一歩なんです。
梶田さん流・処方箋作成のコツ
・どんなことをするとき ・どれくらいの距離のものを見るとき に使うことが多いかなどを詳しく相談すると良い。 |
視力以外の目の個性!「楽な視力」とは?
梶田さんは、"楽な視力"という言葉を理解することで、さらに「楽に見える」を追求したメガネに近づくことができると話します。カギとなるのは、目のピント合わせを司る「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉。目のレンズの役割をする「水晶体」の厚さを調節し、ピントを様々な距離に合わせてくれています。
ふだん、ピントを合わせるために大忙しの毛様体筋。過剰な負荷がかかると、目の疲れ、頭痛、肩こりなどを起こす一因になってしまいます。なるべく負荷をかけないコツは、「毛様体筋が働かなくてもピントが合う距離」を知ることです。
梶田さん監修の元、暗闇で一瞬だけ光らせた視標(視力検査で使う小さな「C」の文字)がどの距離で見えるか?という実験を行ってみました。毛様体筋がピント合わせをしていない状態で、どの距離の視標が見えるかを測定してみたのです。すると、同じ視力の人であっても、距離はバラバラ。つまり、「毛様体筋が働かない=負荷のかからない状態」で「どの距離にピントが合っているか」は、人によって違い、測定してみないとわからない「目の個性」というわけです。この距離が"楽な視力"です。どれだけ遠くが見えるか、という普通の視力とはまた別の個性なんですね。
見たいものが楽に見える!"幸せメガネ"をつくるには?
メガネのレンズは、この"楽な視力"の位置を前後に自在にずらすことができます。「メガネをかけてよく見る距離」を、"楽な視力"=「楽に見える距離」に合わせたメガネ...。これこそが「楽に見えるメガネ」の正体だったのです。
「楽な視力」を知る方法の一つが「調節機能解析装置」と呼ばれる装置で検査を行うことです。この装置は国内に500台ほどしかなく、どこでも検査が受けられるわけではありませんが、この装置がある病院で処方箋をつくってもらうことで、よりよいメガネを作ることができるのでは、と梶田さんは話していました。
"楽な視力"を広げる!最新の「遠近両用」メガネとは?
もし、近くに「調節機能解析装置」のある病院がなくとも、方法はあります。それは、"楽な視力"=「楽に見える距離」を広げてくれるメガネを使うこと。「累進屈折力レンズ」と呼ばれる、レンズの場所によって度数が違うメガネのことです。境目はなく、見ためは普通のメガネと全く変わりません。
視線を上下させ、
・外出などで遠くをみるとき →レンズの上側
・本を読むときなど近くを見るとき→レンズの下側
を使うことで、一つのメガネで幅広い「楽な視力」を使いこなすことができるんです。最近では、家事など室内の作業に便利な「中距離用」のものや、デスクワークの目の疲れを軽減する「近距離用」のものなど、様々な種類があるんだそうです。
これまでの説明は、近視だけでなく、遠視、老眼の方も基本的に同じ考え方で「楽なメガネ」を作ることができるといいます。
常に手放すことのできない人も多い、メガネ。買い換えるときなどに、ぜひ参考にしてみてください。
・外出などで遠くをみるとき →レンズの上側
・本を読むときなど近くを見るとき→レンズの下側
を使うことで、一つのメガネで幅広い「楽な視力」を使いこなすことができるんです。最近では、家事など室内の作業に便利な「中距離用」のものや、デスクワークの目の疲れを軽減する「近距離用」のものなど、様々な種類があるんだそうです。
これまでの説明は、近視だけでなく、遠視、老眼の方も基本的に同じ考え方で「楽なメガネ」を作ることができるといいます。
常に手放すことのできない人も多い、メガネ。買い換えるときなどに、ぜひ参考にしてみてください。
この記事は以下の番組から作成しています。 2018年2月28日(水)放送 ガッテン!「あなたの目にベストマッチ!「幸せメガネ」SP」 |