Topic 28. 瞼(まぶた)が下がる病気
眼瞼下垂の症状
眼瞼下垂とはまぶたが下がってくる病気
眼瞼下垂(がんけんかすい)とは機能の異常によってまぶたが下がってくる病気です。眼瞼下垂はゆっくりと進行するため、自分ではわかりにくいのが特徴です。進行して黒目が隠れてしまうと、ものを見ることができなくなってしまいます。
眼瞼下垂の主な自覚症状
眼瞼下垂の患者さん本人が自覚しやすい症状としては、
- 目が重い
- 見えにくい
- うっとうしい
- 目が開きにくい
- 額のしわが深くなった
- 眉が上がる
といったものが挙げられます。
また、自分では気付きにくいですが、他人から見てわかる症状として、
という状態がみられます。
まぶたをきちんとあげることができなくなるため、無意識におでこの筋肉(前頭筋)に力が入って、額にしわが寄るようになります。それと同時に眉毛も引っ張られて上へあがります。また、上まぶたの二重の幅が広くなったり、二重の線が乱れたり、三重になるということもあります。
なぜ眼瞼下垂になってしまうのか
眼瞼下垂の原因には、生まれつきのものと後天的なものがあります。後天的に起こる眼瞼下垂は加齢によって起こるものが圧倒的に多く、加齢性眼瞼下垂といわれます。
そのほかには、ハードコンタクトレンズを長期間使用している人も発症のリスクがあります。白内障など目の手術を受けてまぶたを広げる器具を使っている人は、術後に眼瞼下垂が生じることがあります。
まれに脳梗塞などで神経に異常が生じて眼瞼下垂を起こす場合もあります。
そのほかには、ハードコンタクトレンズを長期間使用している人も発症のリスクがあります。白内障など目の手術を受けてまぶたを広げる器具を使っている人は、術後に眼瞼下垂が生じることがあります。
まれに脳梗塞などで神経に異常が生じて眼瞼下垂を起こす場合もあります。
眼瞼下垂の検査と間違われやすい病気
眼瞼下垂は何科を受診すべき?
眼瞼下垂の治療は形成外科でも可能ですが、どれくらい見えているのか、他の病気が隠れていないかを調べるために、まずは眼科への受診が勧められます。
どのような検査が行われるか
眼瞼下垂が疑われる場合、目の状態を調べるために、視力測定、眼圧測定、眼底検査、視野検査を行います。さらに、おでこにしわが入っていないかや、眉毛が上がっていないかどうかを確認します。
間違われやすい病気と鑑別することが重要
まぶたが下がってくるという症状により、眼瞼下垂と間違われやすい病気があります。その主な病気が「重症筋無力症」と「眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)」です。
重症筋無力症
重症筋無力症は、自己免疫疾患のひとつで、末しょう神経と筋肉のつなぎ目に障害が生じる病気です。まぶたが下がってくる症状以外に、目の動きが障害され、左右の目が異なる方向を向くようになることがあります。そのため、物が二重に見えたりします。重症筋無力症が疑われる場合は、神経内科の受診が勧められます。
眼瞼皮膚弛緩症
眼瞼皮膚弛緩症は、加齢などによって上まぶたの皮膚がたるむ病気です。眼瞼下垂との見分け方は、まぶたの下がり方の違いです。眼瞼下垂の場合は、上まぶたの縁が下がりますが、眼瞼皮膚弛緩症は、まぶたの縁の位置は正常ですが、たるんだ皮膚がまぶたの縁を超えて垂れ下がってきます。高齢の人では、眼瞼下垂と合併していることもあります。眼瞼皮膚弛緩症がある場合は、たるんで余っている皮膚を切り取る手術を行います。